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広島から東京、大阪から福岡など、遠く離れた場所まで荷物を運ぶ長距離輸送。
当然ながら、トラックが勝手に走ってくれるわけではありません。長い道のりを運転するドライバーさんがいるからこそ、全国の物流は成り立っています。
ところで長距離輸送では、一人のドライバーさんが出発地から目的地まで、すべての区間を運転しているのでしょうか?
ちゃんと調べてみると、途中で別のドライバーさんへバトンタッチする「中継輸送」という方法が、今あらためて注目されているようです。
中継輸送とは?
中継輸送とは、一つの長距離運行を複数のドライバーさんで分担する輸送方法です。
たとえば、広島から東京まで荷物を運ぶ場合。
一人のドライバーさんが東京まで走るのではなく、中間地点まで運んだところで、別のドライバーさんやトラックに荷物を引き継ぎます。
最初のドライバーさんは、そこで折り返して広島方面へ。荷物を受け取ったドライバーさんは、その先の東京方面へ向かいます。
陸上競技のリレーというよりは、長い道のりをそれぞれの担当区間に分けて走る、物流の駅伝に近いかもしれません。
国土交通省では、中継輸送を「トラックの長距離運行を複数のトラックドライバーで分担する輸送形態」と説明しています。ドライバーさんの日帰り勤務を可能にし、労働負担の軽減や人手不足の緩和につながる方法として期待されています。→国土交通省の詳細 (国土交通省)
中継の方法は一つではありません
「途中で交代する」と聞くと、運転席だけを交代するような姿を想像しますが、中継輸送には主に三つの方法があります。
一つ目は、ドライバー交替方式です。
中継地点でドライバーさんがトラックを乗り替え、それぞれが来た方向へ戻ります。荷物を積み替える必要はありませんが、別の会社の車両を運転する場合などには、事前のルールづくりが必要です。
二つ目は、トレーラーのヘッド交換方式です。
荷物を積んだ荷台部分はそのままにして、前方のトラクター部分、いわゆるヘッドを交換します。こちらも荷物そのものを積み替える必要がありません。
三つ目は、貨物積み替え方式です。
中継拠点で、荷物を別のトラックへ積み替えます。荷物の種類によっては、フォークリフトや仮置きスペースなども必要になります。
同じ中継輸送でも、車両や荷物、中継場所の設備によって、適した方法が変わるのですね。
ドライバーさんが日帰りしやすくなる
中継輸送の大きな目的は、長距離ドライバーさんの負担を軽くすることです。
一人で長い距離を往復すると、勤務時間が長くなり、場合によっては宿泊も必要になります。
途中で担当を交代できれば、一人が運転する距離や拘束される時間を短くしやすくなります。毎日、自宅へ帰れる働き方が増えれば、長距離輸送の仕事を選べる人の幅も広がるかもしれません。
国土交通省の資料では、福岡県と兵庫県の間を輸送するイメージとして、広島県内に中継拠点を設ける例が示されています。
この試算では、一人で往復する場合に16時間としていた拘束時間が、中継輸送によって一人当たり8時間半から9時間ほどになるとされています。
ただし、これは他の事例を参考にした想定であり、実際の時間は道路状況、荷役、待機時間などによって変わります。
帰りの空車を減らせる可能性も
長距離輸送では、目的地まで荷物を運んだものの、帰りに積む荷物が見つからず、空車のまま戻ることがあります。
トラックは走っているのに荷物を運んでいないため、燃料や高速道路料金、ドライバーさんの時間を考えると、少しもったいない状態です。
中継輸送をうまく組み立てることで、各地域を担当するトラックが往路と復路の両方で荷物を運び、空車で走る距離を減らせる可能性があります。
ただ荷物をバトンタッチするだけではなく、トラック一台一台の動きを効率よくつなぐ仕組みでもあるのですね。
実際に行うには難しい部分もあります
良いことばかりに見える中継輸送ですが、実際に行うためには、いくつもの条件をそろえなければなりません。
中継する場所、到着時間、荷物の受け渡し方法、使用する車両、ドライバーさんの運行管理などを、あらかじめ細かく決める必要があります。
相手のトラックが渋滞などで遅れれば、もう一方のトラックには待ち時間が発生します。貨物を積み替える場合は、作業員や機械、荷物を一時的に置く場所も必要です。
また、中継拠点の利用料や高速道路料金などによって、従来より費用が増える場合もあります。
荷主さん、運送会社、中継施設など、関係する人たちが情報を共有し、協力しなければ成り立たない仕組みなのです。
国も中継輸送を後押し
中継輸送は、以前から行われてきた方法ですが、国も本格的に普及を後押しし始めています。
2026年5月には、中継輸送の促進を柱とする改正物流効率化法が成立・公布されました。
改正法では、トラック事業者や荷主、倉庫業者などの連携を進めるほか、中継輸送の計画を国が認定し、施設整備や運行などを支援する仕組みが設けられています。多くの運送会社が利用できる中継施設の整備も、今後の重要な課題とされています。→内閣法制局の詳細 (内閣法制局)
荷物だけでなく、情報をつなぐ
中継輸送というのは、途中で荷物を渡せば終わりという、単純な仕組みではありませんでした。
どの場所でつなぐのか。
何時に到着するのか。
どのトラックを使用するのか。
帰りの荷物をどう確保するのか。
一つでも条件がずれると、予定していた輸送がうまくつながらない可能性があります。
だからこそ、荷物、トラック、ドライバーさん、運送会社、そして時間の情報を整理し、全体を組み立てる役割が重要になります。
エムズラインも、全国の運送会社様とのネットワークを通じて、荷物とトラックをつなぐ配車サービスを行っています。
中継輸送そのものに限らず、長距離輸送や帰り便、特殊な条件のある荷物など、トラックの手配でお困りの際は、お気軽にご相談ください!
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